農産加工技術研究會誌
Print ISSN : 0369-5174
糖の転化に関する研究
角谷 廸男宮本 田鶴子
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ジャーナル オープンアクセス

1959 年 6 巻 1 号 p. 5-7

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抄録
糖の転化に関し,2, 3の実験を行つた結果はつぎのごとく要約される。
(1) 糖の転化の極限は,pH3で沸騰水中では97.2%であつたが,低温で重合,分解などの副反応を避ければやや100%まで転化すると思われる。(37℃では116日後に99.6%まで転化した。)
(2) 甘蔗糖と甜菜糖の間には転化に差異は認められない。
(3) 転化にもつとも影響を与える因子は温度であり,pHも無視できない。60℃における反応速度恒数は37℃の約20倍であり,またpH3ではpH4の約10倍の反応速度恒数である。
(4) 10~30%程度の葡萄糖の代替は,蔗糖の転化に対して,正負共触媒作用は認められない。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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