農産加工技術研究會誌
Print ISSN : 0369-5174
味噌用米麹に関する研究(第5報)
製麹温度の相違する米麹による小量仕込試験
本間 伸夫田代 友蔵
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1959 年 6 巻 1 号 p. 8-11

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抄録
製麹温度および種麹を異にする米麹について酵素力を測定し,小規模な赤味噌温醸試験を行つた。米麹酵素力は高温(40゜前後)の場合は既報のごとく澱粉分解力強く,蛋白分解力が弱かつた。低温(30゜前後)はその逆であつた。さらにこうした酵素力を異にする米麹を仕込に用いて,脱脂大豆および丸大豆の赤味噌温醸を行つた。
蛋白分解酵素力の強い米麹を用いた味噌では,窒素の溶出率,分解率とも大きいが,熟成に伴つてその差が少なくなり,製品についてはほとんど差が認められなくなつた。澱粉分解酵素力の強い米麹を用いた味噌でもやはり同様のことが認められた。
しかし製品の品質にほとんどつぎの点を除いて差異が認められなかつた。ただ低温麹を用いた味噌は着色が多く香りがややまさつていた。しかしその差は少ないものであつた。
終りに臨み日頃御指導と御鞭達頂いている原沢所長および実験に協力して頂いている桑原さんに深謝します。
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