日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
食品防腐剤としてのタイロシンと2-furyl-3-(5-nitro-2-furyl) acrylamide (AF2)の比較
芝崎 勲
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1964 年 11 巻 10 号 p. 415-419

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抄録

ニトロフラン誘導体AF2ならびに抗生物質タイロシンの食品防腐剤としての有効性を比較するため,2, 3の作用特性および魚肉ソーセージに対する防腐効果を比較した。その結果魚肉ソーセージ製造原料より分離した芽胞細菌に対する静菌作用力はAF2のほうがすぐれていることが明らかとなったが,分離菌株のうちには両薬剤に対してかなりの耐性のある菌株の存在することを認めた。両薬剤とも栄養細胞に対して比較的強い殺菌作用力を示し,B. subtilis芽胞に対してはいずれも発芽は全く阻害せず,その後の発育過程において殺菌的に作用することを確かめた。魚肉ソーセージ貯蔵試験の結果,AF2の防腐効果はタイロシンにまさることがわかった。

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