日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
11 巻, 10 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 芝崎 勲
    1964 年 11 巻 10 号 p. 415-419
    発行日: 1964/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    ニトロフラン誘導体AF2ならびに抗生物質タイロシンの食品防腐剤としての有効性を比較するため,2, 3の作用特性および魚肉ソーセージに対する防腐効果を比較した。その結果魚肉ソーセージ製造原料より分離した芽胞細菌に対する静菌作用力はAF2のほうがすぐれていることが明らかとなったが,分離菌株のうちには両薬剤に対してかなりの耐性のある菌株の存在することを認めた。両薬剤とも栄養細胞に対して比較的強い殺菌作用力を示し,B. subtilis芽胞に対してはいずれも発芽は全く阻害せず,その後の発育過程において殺菌的に作用することを確かめた。魚肉ソーセージ貯蔵試験の結果,AF2の防腐効果はタイロシンにまさることがわかった。
  • 夏ミカン砂じょうの性状
    児玉 雅信, 眞部 孝明, 別所 康守, 久保 進
    1964 年 11 巻 10 号 p. 419-423
    発行日: 1964/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    以上の結果を要約すれば
    (1) 砂じょうの各部位による糖,有機酸の濃度にはあまり差が認められなかった。水分は柄部が70%前後,膜部は約85%であった。
    (2) 砂じょう部の繊維は膜部よりも柄部のほうが多く,ことにセルローズ,α-セルローズ含量が高かった。
    (3) ナリンギン含量の高い柄の部から水溶液中に溶出するナリンギン量は75℃, 10分の加熱処理で70%程度であった。市販ナリンギナーゼによるナリンギンの溶出,分解は膜部においては70%程度認められたが,柄部のものについてはほとんど認められなかった。
    (4) 柄部からナリンギンを除去する方法として,ペクチナーゼ,ヘミセルラーゼ,セルラーゼなどによる処理が考えられるが,これらによっては加熱処理以上の効果が認められず,また,果肉の崩解を伴うので好ましくなかった。終りに,種々御教示いただいた愛媛大学農学部,前川教授にお礼申し上げます。
  • 茶葉の貯藏へのN6-ベンジルアミノプリンの効果
    竹尾 忠一
    1964 年 11 巻 10 号 p. 424-429
    発行日: 1964/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    N6-ベンジルアミノプリン処理によって,茶葉の呼吸は抑制された。この呼吸阻害効果はチトクロームオキシダーゼ系による酸素吸収に強く,ポリフェノールオキシダーゼ系による酸素吸収への阻害率は低かった。
    N6-ベンジルアミノプリンの呼吸阻害は,10pmpの濃度では7~8日を経過するときわめてわずかとなった。
    N6-ベンジルアミノプリン処理によって,茶葉のVC酸化はおさえられた。この効果は5℃貯蔵の場合には,貯蔵6日以降のものに現われ,15℃区では貯蔵2日目のもの,25℃区では1日目のものに現われた。また低温貯蔵葉を常温下に取り出したのちのVC酸化は,無処理区の場合急速であるのに対し,処理区ではそれがおさえられた。
    N6-ベンジルアミノプリン処理の貯蔵葉から造った茶の品質低下の期日が,5℃貯蔵区では3日,15℃区で1日無処理区よりも延長できた。また低温貯蔵葉を常温下に取り出したのちの品質低下を,N6-ベンジルアミノプリンは抑制した。
    茶樹へのN6-ベンジルアミノプリン散布の影響は,10ppm程度の濃度では茶葉の硬化を若干抑制する効果が認められるが,薬害は茶樹にみとめられなかった。
  • 梶田 武俊, 西川 郁子, 岸田 典子, 長谷川 千鶴
    1964 年 11 巻 10 号 p. 429-435
    発行日: 1964/10/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    茶の内容成分と溶出量との関係を,浸出温度および時間,水の種類,沸騰時間などを変え,かつ品質の異なる数種の茶について検討した。
    なお参考のため原茶の葉位ならびに品種別と含有成分との関係について検討し,つぎのごとき結果を得た。
    (1) 製茶(緑茶)において品質のよいものほど全窒素,タンニン,銅を多く含み,質のよくないものほどカルシウムを多く含有することを認めた。
    (2) 浸出する水の種類により,溶出成分ならびに水色は著しく変化する。この変化には水の硬度およびpHが大きく影響するように思われた。
    硬度が高くなるほどタンニンの溶出量は減少し,水色は濃くなることを認めた。
    (3) 浸水温度が高く,また浸出時間が長くなるほどタンニン,還元糖の溶出量は増加し,水色は黒味を帯びてくる。これは溶存アルカリイオンのタンニンに対する影響ではないかと思われる。
    (4) 浸出水の沸騰時間が長くなると可溶性窒素は減少し,タンニン,還元糖,鉄の溶出量は増加する。この原因については目下検討中である。
    (5) 緑茶に含まれている全窒素およびタンニン,カルシウム量の多いものほど溶出量もまた多いことを認めた。すなわち窒素,タンニンは玉露に,カルシウムは番茶に多く溶出し,茶の品質と浸出液との間に密接な関係があるように思われた。
    (6) 茶の葉位別による成分は,全窒素および銅は上位葉に多く,カルシウムは逆に下位葉に多く含有することを認めた。
    (7) 茶葉中の含有成分量は品種により異なるも,供試品種数が少ないため今後さらに多くの品種について検討し,追って詳細に報告する予定である。
  • 安定性に及ぼす発酵条件の影響
    西出 英一, 村井 槇夫
    1964 年 11 巻 10 号 p. 435-437
    発行日: 1964/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    PGA添加乳酸菌飲料の安定性が乳酸発酵条件によって,いかなる影響をうけるか検討した結果,つぎの結論を得た。
    (1) PGAの種類によっては乳酸発酵に用いた乳酸菌の種類により安定性に影響を与える場合があることがわかった。
    (2) PGAで乳化安定化された酸性乳蛋白は発酵時間や乳固形濃度の変化により生成酸度が異なっても安定な乳濁液を形成することがわかった。
  • 田村 真八郎, 劒持 久仁子, 渡辺 篤二
    1964 年 11 巻 10 号 p. 438-443
    発行日: 1964/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    大豆蛋白質よりチーズ状物質を調製することを目標とし,その第一段階の試験として,凍りどうふ粉末に各種蛋白分解酵素剤を混合,混ねつしそれらの遊離アミノ酸含量を測定し,市販プロセスチーズの遊離アミノ酸含量と比較考察した。その結果以下のような事実が明らかとなった。
    (1) 凍りどうふ粉末に蛋白分解酵素剤を混合混ねつし,一定時間酵素作用を行なわせることにより,プロセスチーズと同程度の遊離アミノ酸含量の混ねつ物を調製できる。
    (2) これらの混ねつ物は,かなりうま味のあるものもあるが,しばしば異味をともない,アミノ酸パターンもチーズとはいくらか異なる。
    (3) さらに酵素の種類,使用方法を検討すれば,チーズ状食品,もしくは食品製造素材として利用できるものと考えられる。
  • 前田 安彦
    1964 年 11 巻 10 号 p. 444-446
    発行日: 1964/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 主として最近の研究から
    片山 脩
    1964 年 11 巻 10 号 p. 447-458
    発行日: 1964/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1964 年 11 巻 10 号 p. 459-465
    発行日: 1964/10/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
feedback
Top