日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
白肉種桃の酵素的かっ変に関する研究(第1報)
熟度によるポリフェノールの消長とポリフェノールオキシダーゼの特性
森 光国原田 陽一坪井 良至
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1965 年 12 巻 3 号 p. 88-94

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抄録

(1) 白肉種桃の主要なポリフェノールはクロロゲン酸,クロロゲン酸の異性体,l-エピカテキンおよびロイコアントシアンで,そのうちクロロゲン酸の異性体がもっとも多くみられた。
(2) クロロゲン酸,ロイコアントシアンは6月29日採収のものにもっとも多い。
(3) クロロゲン酸,ロイコアントシアンはともに果皮部に多い。
(4) 桃ポリフェノールオキシダーゼの至適pHは6.2, Km値は5.5×10-3Mである。酵素基質モデル実験では,10mg%のアスコルピン酸でかっ変をおさえることができた。また,低酸素濃度でも酵素反応はかなり進行する。基質同様,果皮部において酵素活性が強い。

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