日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
12 巻, 3 号
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  • 日野 治郎, 永沢 信
    1965 年 12 巻 3 号 p. 77-81
    発行日: 1965/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    フードレオメーターを用いてメン生地およびユデメンの水分含量と応力-伸びの関係について測定を行ない,つぎのような結果を得た。
    (1) メン生地の応力-伸びの関係曲線から求めた最大応力の対数値と水分含量とは直線関係になる。これは従来の研究者らがパン生地の粘稠度と水分含量との関係について報告している結果と同一傾向を示し,著者らが測定した最大応力の意味を検討するひとつの手がかりになる。
    (2) メン生地の応力-伸びの関係曲線から推測すると,メン生地の結合水は無水物基準で約38%と考えられるが,この値は従来の研究者らの報告している値の範囲内にある。
    (3) 小麦粉に添加する水の量が小麦粉1kgに対して300g以下では最大応力の対数値が,水分含量の少ないほうへずれたような傾向を示し,350g以上の水を添加した生地との間に性質の違いがあることが推察された。
    (4) コデメンではメン生地のばあいと異なり,水分含量を変えて測定した応力-伸びの関係曲線に延性破壊の形が現われず,メン生地のばあいの推論からいえば,高水分含量のユデメンでも遊離水を持たないことになる。しかし,他の実験結果からみると水分含量が180%くらいより多いときには遊離水を持っているように思われ,これはゆでることによる澱粉の糊化や蛋白質の変性のために延性破壊がおきないためではないかと考え,さらに検討中である。
  • 中山 修, 寺町 弥生, 渡辺 篤二
    1965 年 12 巻 3 号 p. 81-84
    発行日: 1965/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    グルコノデルタラクトンが豆腐用の凝固剤として有効であることを認め,とくにあらかじめ豆乳にこれをまぜておいて連続的に袋に注入することにより,袋豆腐製造を簡易化できるものと判断した。
  • 熊谷 庸, 永沢 信
    1965 年 12 巻 3 号 p. 84-88
    発行日: 1965/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    酸味料溶液(酢酸,乳酸,リンゴ酸,コハク酸,酒石酸,クエン酸)にCMC-Naを加えたときの粘性が,酸味料を含まないCMC-Na液の粘性とどのように異なるかを検討し,つぎのような結果を得た。
    (1) 酸味料溶液にCMC-Na(試料としてセロゲンF-SBを使用)を加えたとき,酸味料の種類やそれによる滴定酸度が同一であっても,CMC-Naが濃くなるにしたがってpHが高くなる傾向がみられた。とくにこの傾向はCMC-Na濃度10g/l以下において著しい。
    (2) 酸味料を含むことによってCMC-Na液の還元粘度は低下するが,低下の傾向はCMC-Na液のpHによって支配され,酸味料の種類や濃度には無関係である。
    (3) CMC-Na濃度が5g/l以上になると,pH 4くらいまでは還元粘度の低下はきわめて少ないが,それ以下のpHになると急激に低下する。このばあいの還元粘度の低下は酸味料による水素イオンの影響だけではなく,CMC-Naがもっと本質的な変化をおこすことによるものではないかと考えられる。
  • 熟度によるポリフェノールの消長とポリフェノールオキシダーゼの特性
    森 光国, 原田 陽一, 坪井 良至
    1965 年 12 巻 3 号 p. 88-94
    発行日: 1965/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) 白肉種桃の主要なポリフェノールはクロロゲン酸,クロロゲン酸の異性体,l-エピカテキンおよびロイコアントシアンで,そのうちクロロゲン酸の異性体がもっとも多くみられた。
    (2) クロロゲン酸,ロイコアントシアンは6月29日採収のものにもっとも多い。
    (3) クロロゲン酸,ロイコアントシアンはともに果皮部に多い。
    (4) 桃ポリフェノールオキシダーゼの至適pHは6.2, Km値は5.5×10-3Mである。酵素基質モデル実験では,10mg%のアスコルピン酸でかっ変をおさえることができた。また,低酸素濃度でも酵素反応はかなり進行する。基質同様,果皮部において酵素活性が強い。
  • 溝延 正夫, 伊坂 孝, 蔀 花雄
    1965 年 12 巻 3 号 p. 95-100
    発行日: 1965/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    第1回(昭和37年)および第2回(昭和38年)の実験結果からは,次のことがいえると考える。
    (1) 柿罐詰の白沈は,糊性添加物の使用および糖の高濃度処理と相まって,温度管理を適切に行なえば完全に防止できると考える。
    (2) 添加物の比較では,ペクチン添加区はシラップ液が明度高く,果肉の色調も良好であり,さらにまた,肉質のしまり硬化も比較的に少なく食味もすぐれ,柿罐詰における添加物としてはもっともすぐれていると考えられる。これについではCMCが比較的によい成果が得られ,カルゴン,MC-S-4,000も対照区よりは相当によい成果が認められた。なお水飴単独区はシラップ液に光沢があり混濁もなくすぐれているが,果肉質の褐変が激しく黒変化し,さらに,肉質のしまり硬化が強く現われるので食味が劣る傾向が認められた。
    (3) 添加物使用量は,いずれも罐詰内容総量の0.1%がよく,糖濃度ではBx 40°の場合は果肉質がしまり硬化し食味の劣化が強く現われ,Bx 20~30°度の場合は食味の劣化が少なく適当な糖度と考える。
    (4) 罐詰に際しての固形量の歩留りは,糖の濃度により異なるが,糖Bx 22~30°の場合には7~10%増しで肉詰めするのが適当と考える。
    (5) 脱気温度は中心75℃達温,殺菌は75℃で20分間が比較的に果肉質のしまり硬化をおさえ,食味の劣化も少ないので適当な処理温度と考える。
  • 野村 男次, 三東 崇昇
    1965 年 12 巻 3 号 p. 100-101
    発行日: 1965/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 大高 文男, 本郷 富士弥
    1965 年 12 巻 3 号 p. 101-105
    発行日: 1965/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    パパイン,パンクレアチン,放線菌プロテアーゼおよびAsper gillus oryzae TPR-18の産生する酵素を用いて牛肉に対する人工消化作用を比較した。
    凍結乾燥牛肉に対する場合は,酵素によりその至適pHがカゼィンを基質としたときと異なっていた。たとえば,パパインはpH 9付近,プロナーゼはpH 7~9の間,またTPR-18酵素はpH 4付近でもっともよく作用した。
    各酵素を同力価(基質カゼイン)となるようにしても,pH 6で作用させたときは,牛肉に対してパパインがもっともよく,これについでプロナーゼ,TPR-18酵素およびパンクレアチンの順であった。
    人工消化の温度をかえたところ,パパインは60~80℃,プロナーゼおよびパンクレアチンは60℃, TPR-18酵素は40℃でもっともよく作用した。しかし,それぞれの至適pHで作用させたときは,温度と人工消化作用の関係が大体同じ傾向で,いずれも60℃でもっともよく,またその人工消化の程度も,パパイン,プロナーゼおよびTPR-18酵素ともほとんど同じであった。
    つぎにコラーゲンおよびエラスチン区分の蛋白質に対する各酵素の作用を比較した。60℃のとき,コラーゲンはパパインによりもっともよく消化され,これについではプロナーゼ,TPR-18酵素およびパンクレアチンであった。温度が40℃のときは,全般的に消化の程度が低かった。エラスチンはパパインによりもっともよく消化された。しかしTPR-18酵素にはほとんど作用されず,とくに40℃のときは,TPR-18酵素のみでなく,パパイン以外の酵素にはほとんど作用されなかった。
  • 井上 貞敏, 堀口 徳夫
    1965 年 12 巻 3 号 p. 106-110
    発行日: 1965/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1965 年 12 巻 3 号 p. 111-117
    発行日: 1965/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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