日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
クリの成分と加工法に関する研究(第1報)
クリ澱粉の性状
真部 孝明久保 進
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ジャーナル オープンアクセス

1966 年 13 巻 11 号 p. 471-475

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抄録
クリ果実組織の顕微鏡観察により,中心部空隙周辺,幼芽部,最外層には澱粉含量少なく,澱粉粒子は中心部のほうが大きく,外部のものが小さいことを知った。澱粉粒には大小2群存在し,それぞれ平均9.2μ, 4.0μ前後の円形または隋円形であった。
クリ澱粉精製過程中にヨード呈色によるアミロース定量値が減少し34.3%から24.1%となった。ノリ化点は68°~70℃に存在し,澱粉粒崩解と粘度増加との間には密接に関連し,74°~76℃で急激に粘度増加が起こり,80℃で最高に達した。澱粉の比重は平均1.539であった。赤外吸収スペクトルはコメ澱粉とほとんど完全に一致した。
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