日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
水溶性アンナットによるウィンナーソーセージの着色
佐藤 匡鈴木 普
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1966 年 13 巻 11 号 p. 488-491

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抄録
水溶性アンナットを一部併用した着色料と従来よりのタール色素とのウィンナーソーセージに対する着色効果を比較しつぎのような結果を得た。
(1) 2°~5℃冷蔵庫中および5°~9℃ショーケース中(夜間は冷蔵庫中)に8日間,それぞれ貯蔵した製品間に退色,色素の内部浸透について顕著な差はなかった。
(2) 水溶性アンナットとキサンテン系色素赤色104号の併用区は貯蔵中,表面色にほとんど変化なく,色素の内部浸透も見られないのに反し,アゾ系色素赤色102号との併用では表面の色が非常に退色し,色素の内部浸透が大であり,アゾ系色素黄色5号と赤色102号併用区でも大体同様な結果を得,混合オレンジ使用区でもその傾向を認めた。
(3) 色差計による表面の測色でも,水溶性アンナットと赤色104号の併用区は,貯蔵8日後でΔE=1.6~2.3とやや色差を生じているにすぎず,赤色102号との併用区では,2日目ですでに顕著な色差を生じており,表面の観察結果を裏付ける数値を示した。
(4) 水溶性アンナットはウィンナーソーセージケーシングの着色に際して,その使用も簡単でありまた退色もあまり認められず,黄色系色素として従来の色素にかわって使用することができる。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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