日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
夏ミカン利用に関する研究(第6報)
ナリンギナーゼ添加による夏ミカン罐詰の脱苦味
久保 進別所 康守真部 孝明児玉 雅信
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1966 年 13 巻 12 号 p. 511-517

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抄録
(1) 使用した耐熱耐酸性ナリンギナーゼの耐熱性はpH 4.4においてもっとも高く,殺菌温度は試験管内では76℃以下の失活が少なかったが,罐詰の試験では明りょうでなかった。
(2) 果肉pH 2.85の全糖罐詰に0.5g/罐のクエン酸ナトリウムを加えると殺菌終了時の糖液のpHは3.4,最終的には対照より0.2高くなり,酵素の残存活性が増した。
(3) 78℃ 8~16分,76℃ 13分,80℃ 11分の殺菌区分では殺菌の強さの影響は少なく,pH調整の影響が大きかった。
(4) 殺菌終了時の残存活性と1ヵ月後の果肉中のナリンギン含量との間には相関が認められた。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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