日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
Covticium rolfsiiが生産する酵素によるクロレラ細胞膜分解作用
森 高明梶 明
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1967 年 14 巻 2 号 p. 61-65

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抄録

植物病原菌の1種であるCorticium rolfsiiの生産する粗酵素を使用して,この酵素の噴霧乾燥クロレラに対する作用を検討してつぎの結果を得た。
(1) この酵素は還元糖およびたんぱく質の溶出からみて,pH 2.5にもっとも強い作用力をもつ。
(2) クロレラの細胞膜成分を分解して,細胞膜の透過性をよくし,粗たんぱく質含量の約68%に相当するたんぱく質を溶出した。
(3) 顕微鏡観察では細胞膜を崩壊しやすくする作用があり,細胞質を溶出する作用をもつことが観察された。
(4) この酵素の最適作用温度は30℃付近にあり,40℃, 10分の加熱処理では失活が認められた。

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