日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
コンニャクの性状および加工に関する研究(第1報)
精粉水溶液の流動性
沖増 哲岸田 典子
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1967 年 14 巻 8 号 p. 333-337

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抄録
コンニャク精粉のもっとも重要な性質は,水溶液のレオロジー的性状であるので,その本質的な性状を,島津製作所製ユニバーサルレオメーターUR-I型で吟味し,つぎの諸点を明らかにした。
(1) 低濃度溶液は非ニュートン粘性流動を示すが,濃度約0.8%をこえる比較的高濃度溶液は非ビンガム塑性流動を示し,降伏値が認められる。しかし,精粉の種類による流動曲線の本質的な差異は,認められない。
(2) 見かけの粘度η'の濃度依存性は,ふつうの高分子物質と比べて小さいが,傾向はよく一致している。
(3) η'と降伏値Syとの関係は,η'D-200=a+1/200 Syで表わされる。
(4) η'と測定温度との関係は,近似的に,ANDRADE式に従う。
(5) 精粉の種類,濃度,測定温度および降伏値の有無・大小に関係なく,水溶液の流動性は,S=kDnで表わされるN乗則によく従う。
(6) 水溶液の流動性は,粘性指数k,流動指数nおよび降伏値により,数量的に表現される。
(7) 各種精粉の流動性を特徴づけるには,濃度約1%の溶液で測定されるのが適当である。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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