日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
レッグカット紅茶の製造と特徴
桑原 穆夫西条 了康
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1967 年 14 巻 8 号 p. 327-332

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抄録

レッグカット紅茶の製造に関して品質の面と内容成分の面から研究して,つぎのようなことが考察された。
(1) レッグカット紅茶(LCT)製造時の萎凋の効果についてみると,無萎凋葉は発酵速度を早くし,水色を明るくした。しかしわずかな萎凋(重量減9~13%)により品質の向上がみられた。また萎凋でカフェインが増加することが観察された。
(2) 最適発酵条件に関する試験では,発酵室温度が20, 25, 30℃の間では品質への影響はほとんど認められなかった。最適発酵時間は30分の揉ねん後20℃のとき,60, 90分,25℃および30℃のときには40分であった。
このときの(-)エピカテキンガレートの残存率は20~30%であった。
(3) 普通紅茶とLCTのポリフェノール類を比較して,LCTでは未酸化のポリフェノール((-)エピカテキンとそのガレート,(-)エピガロカテキンとそのガレート)がいずれも少なく,テアフラビンの多いことを確認した。

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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