抄録
大豆の合理的利用の基礎的研究の一環として,大豆および大豆利用食品を組織化学的に調べた。
成熟大豆では細胞は肥厚した細胞膜に包まれ,内部には少量の多糖類も含むが主として蛋白質からなる球状のいわゆるprotein bodiesが充満していた。油脂はこのprotein bodiesの間隙に含まれており,少量の澱粉粒も散在していた。
枝豆ではprotein bodiesも形成されていたが内容がいまだ充実せず染色性が弱く,油脂などとともに混とんとした状態で澱粉粒が多いのが特長であった。
もやしを作り4~14日にわたって蛋白質,油脂,炭水化物の分解状態を追求した。
大豆を蒸煮した場合,また微生物の酵素作用をうけた味噌,納豆についても同様に組織構造の変化を調べた。