日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
鶏油の性状およびフライ試験
岡田 安司小山 吉人
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1968 年 15 巻 8 号 p. 347-353

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抄録
老雌鶏肉のあぶら味から試料油をえて,市販ラードと比較しながら,一般性状,脂肪酸組成およびグリセライド組成を測定した。いっぽう,フライ試験を実施し,カルボニル量,特数値,脂肪酸組成の変化などを測定した。
(1) 鶏油はラードに比べて,不飽和酸量が多く,リノール酸量は約2倍近く含まれていたが,リノレン酸量は少なかった。
(2) グリセライド組成においては,鶏油はラードに比べて,S3は約1/3, S2U, SUSは約1/2, U3は約3倍量含まれていた。
(3) 保存試験では鶏油,ラードの間に数日の誘導期の違いがみられた程度であった。
(4) フライ試験においては,鶏油,ラードともCo-V.,共役ジエン酸量,A.V.,屈折率,比重の増加傾向,I.V.の減少傾向が認められた。また脂肪酸組成もわずかながら変化が認められた。
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