日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
15 巻, 8 号
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  • (第1報)木酢液の溶剤抽出物
    城代 進
    1968 年 15 巻 8 号 p. 335-340
    発行日: 1968/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    木酢液から燻煙香料の抽出を目的として研究し,次の結果を得た。
    (1) 木酢液から燻煙香料の抽出条件を検討し,抽出溶剤の選択と樹種別および製法別木酢液の抽出物について,各燻香,収率,成分組成を比較した。
    (2) ガスクロマトグラフィーにより木酢液の溶剤抽出物中のフェノール類,有機酸類およびカルボニル化合物の各成分を同定した。
    (3) 燻香に関与する成分を推定した。
    (4) 木酢液は燻煙香料の重要な原料であることを確認した。
  • (第1報)麹菌の生産するクロロホルム可溶性螢光物質について
    真鍋 勝, 松浦 慎治, 中野 政弘
    1968 年 15 巻 8 号 p. 341-346
    発行日: 1968/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) わが国醸造工場および主要種麹メーカーで使用されている麹菌136株と当研究所保存の麹菌76株,計212株についてアフラトキシンの生産性の有無について検討した。
    (2) ツァペック・ドックス培地による30℃, 7日間の静置培養結果では,全212菌株中薄層クロマトグラムと螢光色から見たアフラトキシン類似物質を生産するものが49菌株,全然生産しないもの141菌株,はっきりしないものが22菌株であった。
    (3) 米,小麦,大豆,ピーナッツ培地によるアフラトキシン生産性試験を41菌株につき行なった。米,小麦,大豆に関しては,ツァペック・ドックス培地と同様な結果を得たが,ピーナッツに関してはいずれの菌株もアフラトキシン類似物質を生産しなかった。
    (4) アフラトキシン類似物質を生産する菌株について小麦による大量培養を行ない,アフラトキシン類似物質を集めて紫外部吸収スペクトルを測定した結果,すべてのアフラトキシン類似物質はアフラトキシン標品と異なるスペクトルを示しアフラトキシンでないことがわかった。結局試験した212株の麹菌には,アフラトキシンを生産する菌株は認められなかった。
  • 岡田 安司, 小山 吉人
    1968 年 15 巻 8 号 p. 347-353
    発行日: 1968/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    老雌鶏肉のあぶら味から試料油をえて,市販ラードと比較しながら,一般性状,脂肪酸組成およびグリセライド組成を測定した。いっぽう,フライ試験を実施し,カルボニル量,特数値,脂肪酸組成の変化などを測定した。
    (1) 鶏油はラードに比べて,不飽和酸量が多く,リノール酸量は約2倍近く含まれていたが,リノレン酸量は少なかった。
    (2) グリセライド組成においては,鶏油はラードに比べて,S3は約1/3, S2U, SUSは約1/2, U3は約3倍量含まれていた。
    (3) 保存試験では鶏油,ラードの間に数日の誘導期の違いがみられた程度であった。
    (4) フライ試験においては,鶏油,ラードともCo-V.,共役ジエン酸量,A.V.,屈折率,比重の増加傾向,I.V.の減少傾向が認められた。また脂肪酸組成もわずかながら変化が認められた。
  • (第3報) 落花生蛋白質の濃度勾配抽出及び加熱による各画分の塩基性アミノ酸の破壊
    三浦 道雄
    1968 年 15 巻 8 号 p. 354-358
    発行日: 1968/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 落花生脱脂粉末について硫安による濃度勾配抽出を行なった結果,3個の紫外部吸収を示す画分が得られたが,硫安飽和度1付近で抽出される画分Iは透析性の非蛋白態成分からなり,結局,飽和度0.5付近および0.3付近でそれぞれ抽出される画分IIおよびIIIに分けられた。
    (2) この2個の画分を単離し,それぞれオートクレーブで1kg/cmcm2で60ないし180分間加熱した場合,ヒスチジンはほとんど減少しなかったが,リジンおよびアルギニンの減少がみられ,とくにリジンの減少が甚しかった。
    画分IIより画分IIIの場合が,リジンの減少が大きかったが,その他は両画分の間に明らかな差は認められなかった。
    (3) 画分IIおよびIIIに各種の糖を添加し1kg/cmcm2で120分間加熱した場合のリジンおよびアルギニンの減少を見ると,キシロース添加の場合が両アミノ酸の減少がもっとも著しく,以下グルコース,フラクトース,蔗糖の順であった。澱粉は影響を及ぼさなかった。画分IIIの場合キシロースおよびグルコース添加によりリジンの減少が比較的大きかったが,その他の場合は画分IIおよびIIIの間に糖添加の影響の差は認められなかった。
    本報告の概要は本学会第14回大会(1967年4月)において発表した。
  • (第1報)市販植物蛋白製品の一般性状
    日引 重幸, 栗原 道彦, 大野 潔
    1968 年 15 巻 8 号 p. 359-365
    発行日: 1968/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    以上の結果をまとめると次のようになる。
    (1) 化学分析値は小麦蛋白製品ではほとんど差がなかったが,大豆蛋白製品ではかなりの差があり,精製の程度,変性処理の程度などに相違が認められた。
    (2) 単用試験の粘弾性は試料によって著しい差があった。小麦蛋白製品は水に対する分散性が小さいタイブと大きいタイプの2つに分かれたが,いずれも一般に粘弾性がよかった。大豆蛋白製品も弾力性のあるなめらかなゲルを形成するタイプと弾力性が小さくあらい凝固粒子の集合体のようなゲルを形成するタイプの2つに分かれたが一般に前者のタイプが粘弾性がよかった。
    (3) 大豆蛋白質は未変性の状態では弾力性あるなめらかなゲルを形成せず,このようなゲル形成にはなんらかの変性処理が必要であり,その変性処理のさせ方にはある適当な条件があり,その条件にはある程度の幅があるであろうことがうかがわれた。
  • (第2報)植物蛋白製品添加試験
    日引 重幸, 栗原 道彦, 大野 潔
    1968 年 15 巻 8 号 p. 366-372
    発行日: 1968/08/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    以上の結果をまとめると次のようになる。
    (1) 添加試験では植物蛋白製品をねり上り肉中乾物で3%添加したものは,色,風味,歯切れ,総合がいずれも対照(無添加)と有意差はなく,傾向的にはむしろよくなるものもあった。6%添加したものでは色はよくなる傾向にあって問題はないが,風味,歯切れ,総合は対照と同程度のものと,有意に悪くなるものとに分かれた。
    (2) 添加試験の官能検査内では総合評価ともっとも相関が高いのは風味と歯切れであり,色とは相関がなかった。また官能検査の歯切れと物性試験値との間でもっとも相関が高いのは折曲げ値と押込み試験のy値,次いでxy値,x値でありいずれも有意に相関が高く,これらの粘弾性の測定値から逆に歯切れのよし悪しが推定できる。
    (3) 植物蛋白製品単用の粘弾性のよいものが一般に添加試験の粘弾性をもよくする傾向が見られ,単用試験の押込み試験のy値,折曲げ値はいずれも添加試験の歯切れと有意に相関が高かった。またとくに今回供試した大豆蛋白製品では水溶性純蛋白質/全純蛋白質が0.4~0.7付近,塩溶性純蛋白質/全純蛋白質が0.15~0.35付近になるようにある種の変性処理がなされ,さらにどちらかといえばゲル化の性質の強いもののほうが添加試験の粘弾性をよくするようである。
  • 渡辺 篤二
    1968 年 15 巻 8 号 p. 373-382
    発行日: 1968/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1968 年 15 巻 8 号 p. 383-386
    発行日: 1968/08/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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