日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
キャラメルおよび飴菓子の水分定量
ホルムアミドを溶剤とするカールフィッシャー法とフィルム法の比較
室井 要堤 忠一小泉 英夫
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1969 年 16 巻 1 号 p. 39-41

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抄録
(1) 試料の溶解にホルムアミドとメタノールの2:1の混合溶剤を用いるKF法は,従来の方法より,迅速性,再現性,正確さにおいてすぐれている。キャラメルは55~60℃で溶解し,KF試薬で直接滴定し,所要時間25~30分で,相対誤差±0.1%で定量できる。飴菓子は常温で溶解し,直接滴定することにより,所要時間10~20分で,相対誤差±0.02%で定量できる。
(2) フィルム法は,水銀柱20mmの減圧下,100℃で,キャラメルは2時間,飴菓子は4時間乾燥することにより,相対誤差±0.05%の正確さで定量できる。
(3) KF法とフィルム法を比較した結果,両方法によるキャラメルの定量は,0.1%以内でよく一致した。しかし,フィルム法の飴菓子の定量値は,試料によってKF法よりも高く,飴菓子の水分は,KF法が正確であると考えられる。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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