日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
収穫後におけるカンランの酵素活性,タンパク質,クロロフィルおよびポリフェノール物質の変化
粕川 照男黒木 柾吉小畑 正行
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1969 年 16 巻 5 号 p. 187-191

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抄録

(1) 夏どりおよび秋どりのカンランを,有孔および密封ポリエチレン袋中で冷蔵(2~4℃)ならびに常温貯蔵を行ない,タンパク質,ペルオシキーゼ,酸性フォスファターゼ,クロロフィルおよびポリフェノール物質の収穫後の変動について検討した。
(2) 常温貯蔵ではクロロフィルの減少がもっとも著しく,酸性フォスファターゼ活性およびタンパク質含量も減少した。
(3) ペルオキシダーゼ活性,ポリフェノールおよびフラバノール物質は変動が大きく一定の変化の傾向を見い出すことはできなかった。
(4) 夏どりおよび秋どり試料についてこれらの諸成分の変化は大体一致した傾向を示した。
(5) これらの結果から,クロロフィル含量,酸生フォスファターゼ活性およびタンパク質含量の変化は,貯蔵カンランの鮮度の指標として利用できるのではないかと考えられる。

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