日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
16 巻, 5 号
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  • 粕川 照男, 黒木 柾吉, 小畑 正行
    1969 年 16 巻 5 号 p. 187-191
    発行日: 1969/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 夏どりおよび秋どりのカンランを,有孔および密封ポリエチレン袋中で冷蔵(2~4℃)ならびに常温貯蔵を行ない,タンパク質,ペルオシキーゼ,酸性フォスファターゼ,クロロフィルおよびポリフェノール物質の収穫後の変動について検討した。
    (2) 常温貯蔵ではクロロフィルの減少がもっとも著しく,酸性フォスファターゼ活性およびタンパク質含量も減少した。
    (3) ペルオキシダーゼ活性,ポリフェノールおよびフラバノール物質は変動が大きく一定の変化の傾向を見い出すことはできなかった。
    (4) 夏どりおよび秋どり試料についてこれらの諸成分の変化は大体一致した傾向を示した。
    (5) これらの結果から,クロロフィル含量,酸生フォスファターゼ活性およびタンパク質含量の変化は,貯蔵カンランの鮮度の指標として利用できるのではないかと考えられる。
  • 粕川 照男, 黒木 柾吉, 小畑 正行
    1969 年 16 巻 5 号 p. 192-196
    発行日: 1969/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) カンランの茎の新鮮切断面から,各種植物生長調整物質を吸収させ,それらの貯蔵カンランに対する鮮度保持効果を検討した。
    (2) N6-BAは200p.p.m程度の濃度で,CCCは500p.p.m.程度の濃度でクロロフィルの分解を抑制し,品質をかなりよく保つ効果を認めたが,タンパク質,ペルオキシダーゼならびに酸性フォスファターゼ活性などに対する影響は認められなかった。
    (3) N7-およびN9-BAにはクロロフィル分解抑制の効果は認められなかった。
    (4) IAAおよびGAはともに200p.p.m程度の濃度でかなり老化を促進し,あるいは病変を生じ,かえって鮮度の低下を招いた。
    本研究に際し,N6, N7およびN9-ベンジルアデニンを提供して下さった日研化学株式会社に厚く感謝致します。
  • (第1報) 缶詰かきの緑色色素の分離と物理化学的性質
    長田 博光, 大塚 滋, 志賀 岩雄
    1969 年 16 巻 5 号 p. 197-201
    発行日: 1969/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 缶詰かきの緑色色素が胆汁色素,クロロフィルあるいは銅とのキレート化合物のいずれに由来するかを知るために緑色色素を抽出分離し,2, 3の物理化学的性質を調べた。
    (2) 緑色色素を塩酸アセトン混合溶液で抽出し,シリカゲルカラムクロマトグラフィー,ペーパークロマトグラフィーおよびSephadex LH-20によるゲル濾過にて分離精製した結果3成分に分けられた(それぞれ緑色色素1, 2および3と略称)。これら3つの色素はいずれも245, 415, 600および655mμに吸収極大を持っており,緑色色素1と2は油状,緑色色素3は粉末であり,ほぼ20:1:10の割合で得られた。
    (3) 薄層クロマトグラフィーでは緑色色素1と2は同一のRf値を示すが,緑色色素3のRf値は前二者と全く異なる。
    (4) 分子量は緑色色素1は約700で,緑色色素3は約1000であると推定される。
    (5) 緑色色素はいずれも胆汁色素に対する反応およびニンヒドリン反応は陰性であり,螢光反応は陽性であった。溶剤に対する転溶性試験ではいずれの色素も水に不溶性であり,また緑色色素はエタノール,石油エーテルに不溶性であるが,他の有機溶剤にはいずれの色素も可溶性あるいはやや可溶性である。
    (6) 赤外線吸収スペクトルあるいは他の物理化学的性質より缶詰かきの緑色色素はピリベルジンあるいは銅とのキレート化合物とは明らかに異なり,クロロフィルともやや異なっていることを認めた。
  • (第3報)ペクチナーゼ剤の果汁清澄化力
    福井 尚之, 大高 寿彦, 野村 男次
    1969 年 16 巻 5 号 p. 202-206
    発行日: 1969/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    柑橘果汁の清澄にはPE活性の強力なペクチナーゼ剤が必要であり,ある程度強力なPE活性をもつものにさらにPG活性をもつものを加えるとその清澄化力は増強されたが,PE活性の弱いものにはPG活性をいかに追加増強しても清澄効果はあがらないことがわかった。またヘミセルラーゼの添加も清澄化には余り役立たなかった。
  • (第2報) 製品に対する材料の影響と工程平均の推定
    吉見 つや, 竹林 やゑ子
    1969 年 16 巻 5 号 p. 207-212
    発行日: 1969/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    以上を要約すれば次のとおりである。
    (1) 小麦粉は第1報での薄力粉を混合粉に変えたために,他の因子の関係を第1報より明瞭に知ることができた。しかしやはり強力粉は味覚,軟らかさ,比容積においてよい結果を得た。
    (2) 砂糖は味覚では多いほうがよいが,軟らかさ,比容積では少ないほうがよい。また混合粉では砂糖が多くても気孔数はあまり悪くない。
    (3) イーストが多いとき,比容積,軟らかさ,気孔数はよくなるが,味覚が悪くなる。
    (4) 油脂は多量であれば味覚はよくなるが,軟らかさ,比容積,気孔数では少ないほうがよい。しかし軟らかさは油脂の融点に関係があり,固形脂であれば質良であっても菓子パンをかたくする。
    (5) 液は牛乳のほうがやや味をよくするが,軟らかさ,比容積,気孔数では水のほうがよい,しかし液の影響は他の因子に比べて少ない。
    (6) 工程平均の推定の結果,味覚と比容積から考えて本実験の2つの水準から選べば,小麦粉は強力粉,イーストは8%,砂糖と油脂はおのおの30%,液は牛乳を用いるのがよいであろうと推定される。
  • 長野 雄治, 鮫島 広年, 木下 祝郎
    1969 年 16 巻 5 号 p. 213-215
    発行日: 1969/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 天然米にリジンを20~30%添加する方法を検討した。
    (2) 精白米ではリジンの浸透吸収は6%にとどまるが,玄米を水浸漬,蒸煮,乾燥後,精米したパーボイルド米ではリジンが最高42%まで吸収されることを認めた。
    (3) 米の自然の形をそのまま保持し,かつ簡便な操作でリジンを添加するのには,米に対してリジン20%~30%添加が最適であった。
  • 長野 雄治, 鮫島 広年, 木下 祝郎
    1969 年 16 巻 5 号 p. 216-218
    発行日: 1969/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) パーボイルド米の有する大きい水分吸収性の特性を利用して,滲透吸収法によりリジン23%添加米を作成し,このリジン強化米の諸性質を調べた。
    (2) 通常,白米は炊飯するにさきだって洗米するが,このときのリジン米からのリジンの溶出試験を行なった。10倍量の水に浸漬したとき,10分間で24%のリジンの溶出損失がみられた。さらに3時間の浸漬で全量のリジンが溶出し去った。これは,リジン米を白米に100:1の割合で添加した場合でも同様の結果であった。
    (3) 白米にリジン米を100:1の割合で添加した炊飯米についての諸試験の結果,リジンは全米粒に均等に分布しているが,炊飯中の加熱により,リジンの18%が分解,不活性化することが認められた。さらに,官能試験を行ない,色調,香気,呈味に変化が認められなかった。
    (4) リジン米を密栓して40℃で保存試験の結果,6ヵ月まではリジン含量に変化がなかったが,全体にやや赤味を帯びた。
  • 木村 進
    1969 年 16 巻 5 号 p. 219-228
    発行日: 1969/05/15
    公開日: 2009/04/21
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