1969 年 16 巻 6 号 p. 282-283
3種の展開溶媒について検討した結果,ベンゼン系とアセトニトリル系の場合は,一次元法ではAAとEAの分離は不能で,メチルエチルケトン水飽和液のみ分離確認を行なうことができた。しかし展開時間は,ベンゼン系およびアセトニトリル系に比し多少,長い時間を要した。なお,メチルエチルケトン水飽和液を展開溶媒とし,AAおよびEAの濃度変化による分離度を調べたところ,分離限界の濃度範囲は,30~75mg%であり,分離能などの点から最適濃度は40~50mg%であった。
従来のペーパークロマトグラフ法では,展開に約5時間を要するが,本法によると約2時間に短縮することができた。