1969 年 16 巻 9 号 p. 430-432
(1) 水素炎イオン化検出ガスクロマトグラフィーを用いて,天然のカプサイシン結晶,市販とうがらしオーレオレジン,合成カプサイシン系辛味物質などの分析を試みたところ,試料注入口温度を360℃にすることにより,Silicone GE SF-96カラムでよく分離することがわかった。
(2) 天然のカプサイシン結晶は少なくとも4成分の存在を示し,そのうちピークbは水素添加によりピークaにうつることや,従来の報告からその主成分がカプサイシンであることを考えあわせた場合,ピークはbカプサイシン,ピークaはジヒドロカプサイシンと推定される。
(3) カプサイシン系辛味物質はトリメチルシラン化した場合,試料注入口温度250℃で同じくSilicone GESF-96カラムによりよく分離し,それぞれの相対保持時間が示された。