1971 年 18 巻 5 号 p. 202-206
松島湾産の缶詰かきの緑変と広島湾産の缶詰かきの緑変の原因が異なるものかどうかを知るために,松島湾にて採取したかきを缶詰にし,その緑色色素を分離精製し,その物理化学的性質について調べた結果,その緑色色素は広島湾産の缶詰かきの緑色色素と同様に5成分に分けられ,それぞれの物理化学的性質はいずれも広島湾産の缶詰かきの緑色色素のそれとよく類似しており,その緑色色素の主体は同一のものであり,主として銅を含んだクロロフィル誘導体により緑変することが認められた。