日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
醗酵食品中の螢光成分に関する研究
(第2報) みそおよびみそ麹のアフラトキシン汚染の有無について
真鍋 勝大沼 静子松浦 慎治
著者情報
ジャーナル フリー

1972 年 19 巻 2 号 p. 76-80

詳細
抄録

(1) 全国各地より市販みそ108点,自家醸造みそ33点,みそ工場麹28点を集めてアフラトキシン汚染の有無および毒性について検討した。
(2) アフラトキシンの分析の結果,薄層クロマトグラフィーにおける薄層板上でアフラトキシンと同じ螢光を発し,Rfの近い物質の存在する試料が,市販みそより3点,自家醸造みそより1点,みそ工場麹より2点あったが,紫外部吸収スペクトル,液体クロマトグラフィーの測定によりアフラトキシンと異なることがわかった。
(3) 薄層クロマトグラフィーにより検出したアフラトキシン類似螢光物質の毒性を検討するため,検出試料の抽出物の鶏胚法による試験をした結果,いずれの試料も毒性の無いことがわかった。

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top