日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
食品中の糖および糖アルコールの定量
ガスクロマトグラフィーによる一考察
岩田 有三佐々木 義幸折口 和範小島 炳
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1973 年 20 巻 2 号 p. 60-65

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抄録
(1) 食品中に多種の糖および糖アルコールが共存すると一つのGLC条件ではピークが重なるものがある。そこでTMS誘導体はSE-30で,アセチル誘導体はQF-1で分析することにより定量条件を検討した。
(2) TMS化は常温でも二糖類が反応するH-TMS-イミダゾール,TMCSの組み合わせを用いた。
(3) 低カロリー物質マルチトールの定量条件につき検討し良好な結果を得た。とくにシュクロースと分離するのでダイエット食品の確認に最適と思われる。
(4) 内部標準物質はおおむね炭化水素がよいが,単糖,単糖糖アルコール類のアセチル化物の場合,保持時間の関係上アジピン酸2-エチルヘキシルエステルが良好であった。
(5) 添加回収率は97%以上の良好な結果を得た。
(6) ラクトースが共存する場合のGLC条件はさらに検討する必要がある。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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