抄録
大豆11Sおよび7Sグロブリンにとむ画分の5%溶液より湯葉状皮膜を生成させ,成膜状態や膜質について比較した。11S, 7Sとも液温60℃までは溶液中で大きな変化がなく,80℃でサブユニットに解離または高分子に会合する。膜の強伸度はpHによって異なるが11Sは7Sよりつねに引っ張り強度大きく,また11S,7Sとも中性附近で伸び率が減少しアルカリ側でとくに11Sは急増した。NEM, ME,尿素いずれの添加でも強度は低下し,成膜阻止作用は尿素が最も大きかった。またこれらは11Sの方が大きく影響を受けた。7S皮膜は表面に大きなシワができるが,11Sは生じない。しかし11SもNEM添加により大きなシワができ,7Sも尿素添加により消失した。以上のように11S, 7Sは湯葉の膜質への関与がそれぞれ相異なり,また皮膜生成にはSH基の存在は不可欠なものではないが,皮膜強度やシワの発現など膜質に関係するものと思われた。