日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
緑茶の構成味要素に対する成分の貢献度
中川 致之
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1975 年 22 巻 2 号 p. 59-64

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抄録
(1) 緑茶浸出液をセファデックスG-75による液体クロマトグラフィで分画することにより総量90%以上の回収率で5つのフラクションに分けることができる。この場合,カフェイン,アミノ酸類,糖は2つのフラクションにまたがっているが,全体として成分グループ別に分けることができる。
苦味,渋味はタンニンの存在するフラクションにあり,しかも,その70~75%はカテキンの存在するフラクションにあること,さらに,フラクション液もしくは緑茶浸出液を除タンニン処理した場合,除タンニン率と苦味,渋味の減少率がよく一致することなどから緑茶の苦味,渋味は主としてタンニンとくにカテキンによるものであることが確認された。
(3) 緑茶のうま味,甘茶の70%程度はアミノ酸類,糖などの存在するフラクションにあること,アミノ酸類を除去した場合,うま味が1/3程度に減少することからうま味はアミノ酸によるものが大きく,一方,甘味は多くて半分程度までしか減少しないことから,糖によるのが大きいと推定された。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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