日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
大豆の複合体
(第3報)大豆食品中のプロテオリピドについて
佐々木 正治本木 正雄山内 文男柴崎 一雄
著者情報
ジャーナル フリー

1975 年 22 巻 7 号 p. 309-313

詳細
抄録

代表的大豆食品として豆腐,凍豆腐,納豆をとりあげ,脱脂後C:M抽出物をC:M溶液と水に対する透析によって,それらに含まれているプロテオリピドを分離できた。収量はいずれも0.05%前後で,脱脂した大豆の収量とほぼ同じであった。
脂質部分のリン脂質組成は,市販大豆レシチンと比べるといずれもPCとTLCで原点附近のリン脂質が多くなり,また脂質部分の脂肪酸組成はC16:0が最も多く,C18:2が最大約50%を占める大豆リン脂質や,脱脂した大豆のプロテオリピドと異っていた。蛋白質部分のアミノ酸組成は脱脂した大豆のプロテオリピドと同様に,大豆グロブリンに比べて疎水性アミノ酸が多く,酸性アミノ酸が減少していた。

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
次の記事
feedback
Top