日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
味噌におけるジグリセリドとモノグリセリドの蓄積及び不飽和遊離脂肪酸の減小
木内 幹太田 輝夫海老根 英雄
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1976 年 23 巻 10 号 p. 455-460

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抄録
味噌の脂質含量と脂質成分の脂肪酸組成の分析を行った。脂質含量は米味噌で3.8ないし6.9%,豆味噌で7.6ないし8.5%(味噌重量当りの重さ)であった。豆味噌の試料は遊離脂肪酸の含量が最も高く36ないし58%であった。2~3点の味噌にトリグリセリド分解の中間体である1,3-ジグリセリドまたはモノグリセリドを蓄積するものが見られた。大部分の味噌では脂肪酸組成は大豆のそれに類似していたが, 2~3点の豆味噌で遊離脂肪酸画分中のリノール酸含量が35%よりも低い値のものが見られたが,これは醤油油や溜醤油油の結果とは異なったものであった。豆味噌の温醸を行った。豆味噌製造中において,仕込後2ケ月以内には脂質の分解は進まなかったが, 2ケ月以降に遊離脂肪酸は増加し,かっリノール酸含量の減少が生じることが見出された。
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