日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
アセチル化大豆蛋白質の乳化特性
山内 文男菱沼 紀子小野 秀光柴崎 一雄
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ジャーナル オープンアクセス

1978 年 25 巻 8 号 p. 446-450

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抄録
大豆の酸沈澱蛋白質,粗7Sグロブリン,粗11Sグロブリンの各々について,そのアミノ基の低(約30%),中(約60%),高(約90%)程度のアセチル化を行ない,これらの乳化活性,乳化容量,乳化安定性を測定した。
乳化活性はこれらの蛋白質のアセチル化が高くなる程減少した。11S>酸沈>7Sの順に低下の度合が大きく,90%アセチル化11Sではほとんど乳化活性を示さなかった。
乳化容量,乳化安定性については,7Sではアセチル化が高くなる程増加の傾向を示した。11Sでは60%までは増加し,90%アセチル化物では逆に減少した。7Sと11Sの混合物である酸沈では,60%までは増加したが,90%アセチル化物では減少した。
以上のことから,高アセチル化11Sは各種乳化特性を著るしく低下させることが知られた。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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