抄録
大豆の酸沈澱蛋白質,粗7Sグロブリン,粗11Sグロブリンの各々について,そのアミノ基の低(約30%),中(約60%),高(約90%)程度のアセチル化を行ない,これらの乳化活性,乳化容量,乳化安定性を測定した。
乳化活性はこれらの蛋白質のアセチル化が高くなる程減少した。11S>酸沈>7Sの順に低下の度合が大きく,90%アセチル化11Sではほとんど乳化活性を示さなかった。
乳化容量,乳化安定性については,7Sではアセチル化が高くなる程増加の傾向を示した。11Sでは60%までは増加し,90%アセチル化物では逆に減少した。7Sと11Sの混合物である酸沈では,60%までは増加したが,90%アセチル化物では減少した。
以上のことから,高アセチル化11Sは各種乳化特性を著るしく低下させることが知られた。