日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
干しシイタケの春子,秋子の嗜好について
松本 仲子青柳 康夫菅原 龍幸
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1979 年 26 巻 5 号 p. 193-198

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抄録

干しシイタケ8銘柄を選び春子,秋子間の嗜好的な差の有無をみるために官能検査を行ない,2点嗜好試験法変法,評点法の2法により検討した。なお実験の性格上干しシイタケを半年間貯蔵する必要があり,その間の品質の変化についても評点法により予め検討した。
(1) 干しシイタケは5℃の冷蔵庫に12ヶ月間密封貯蔵し,6ヶ月後,12ヶ月後に官能検査を行ない外観,香り,味,テクスチャー,綜合について検討したが,各項目とも採取時における評価との間に有意な差は認められなかった。
(2) 2点嗜好試験法変法による比較では,香信系においては春子が秋子より良いという傾向がみられ,冬〓系については明瞭な差は認められなかった。
(3) 評点法による結果をもとに,3ヶ年を通しての全体の傾向をみたところ,香信系では春子,秋子間に5%の危険率で有意な差が認められたが,冬〓系では有意な差は認められなかった。
また,銘柄別に検討したところでは,上香信,茶撰の綜合評価は春子が秋子より良く,並冬〓では綜合評価,香りにおいて秋子が春子より有意に良いとする結果が得られた。

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