日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
エクストルーダーによる大豆・小麦の同時処理と製麹適性について
藤田 明男渡辺 康久岸 圭一小川 玄吾吉崎 朋三
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1980 年 27 巻 10 号 p. 483-488

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抄録

従来エキストルーダー処理によるN性除去は不可能であるとされていたが,大豆・小麦の混合物を用いて同時処理を行ない, N性の無い加工原料の製法を検討するとともに,製麹,試験醸造を行なった。
(1) エクストルーダーにて同時処理を行ない原料蛋白質のN性を除去するためには,処理時水分を30~40%,脱脂加工大豆の粒度を50メッシュ篩下とすることが必須の条件であり,その他に供給量,ダイの種類等を選択する必要があった。
(2) 加工原料を用いて製麹するに際し,盛込水分含量は40%が最適であった。また製麹作業性が著しく良く,プロティナーゼが極めて高い麹が得られた。
(3) 消化試験,仕込試験における諸味は従来法に比べ窒素,糖の溶出量が大巾に増大し,原料蛋白,澱粉の利用率向上が認められた。

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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