日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
カラメルの限外濾過における透過流束と色素の阻止率に及ぼすpHの影響カラメルの限外濾過(第6報)
岸原 士郎藤井 聡河本 正彦
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 27 巻 10 号 p. 479-482

詳細
抄録

カラメル中の高分子色素と結合しているイミダゾール化合物を遊離させるために添加した硫酸または水酸化ナトリウムによる溶液のpH変化が限外濾過性に及ぼす影響について調べた。透過流束はpH3-12においてはpH変化に影響されず, pH3以下またはpH12以上においては徐々に減少した。色素の阻止率はpH約2.5~7においてはほとんど変化しなかったが, pH約2.5以下においては徐々に増加し,アルカリ性下においては徐々に減少した。とくに,高pHにおいて,阻止率は大きく低下した。これらのことから,結合性イミダゾール化合物の遊離には,必要最少量の硫酸の添加が望ましいことがわかった。

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top