1983 年 30 巻 3 号 p. 162-167
低う蝕性の特性を有する天然甘味料GSのペクチンゼリーへの応用,及びGSのペクチンゼリー中での安定性を知る目的で実験を行なった。
(1) HMPゼリーではラピッドセットペクチン及びスローセットペクチンのどちらを用いても, GS単用で好適ゲル強度のゼリーが得られた。糖65%,ペクチン0.75~1.0%のモデルゼリーでは, GS単用の好適ゲル強度を形成するpHは3.2~3.5付近にあり,ショ糖の場合に比べてラピッドセットペクチンゼリー,スローセットペクチンゼリーともに少し低pH側に移行した。
(2) LMPゼリーでは, GS単用の好適ゲル強度は糖30%, pH3.8, Ca2+25mg/gペクチンにみられた。 GSはショ糖の場合に比べて, Ca2+,ペクチン,糖のすベての要素でゲル形成が容易であり,また,好適ゲル形成を示すpHはGSの方がショ糖に比べて少し高pH側に移行した。
(3) 好適ゲル強度を有するペクチンゼリー中でのGSは, HMPゼリーの場合, pH3.3以上, LMPゼリーの場合, pH3.6以上でほとんど分解されず安定であった。