1983 年 30 巻 8 号 p. 442-446
高分子量物質からの低分子量物質の分離と有価成分の回収さらにBOD除去を目的として,限外濾過法および逆浸透法により,味噌製造における大豆蒸煮液を処理した。廃水中の有価成分であるタンパク質と糖は,適当な限外濾過膜および逆浸透膜を選択することにより分画回収できた。しかしながら, BODの除去は,タイトな逆浸透膜を用いても不十分であった。廃水中に含まれる高分子量物質は膜表面にゲル層を形成し,このゲル層は,水と溶質の透過現象に影響を与える。ゲル層が形成された膜の機能は,モデル液を処理した著者らの前報と極めて類似した結果を示した。