1983 年 30 巻 8 号 p. 449-453
味噌製造における大豆蒸煮液の処理を行った際,限外濾過膜面に形成されたゲル層をカキ取り,その性質を全固形分,全炭素および全窒素の面から分析した。また,ゲル層中の成分をゲル濾過法により分析した。これらの結果から,ゲル層は大豆タンパク質と高分子量多糖類からなり,前者の方が後者よりはるかに多量であることが明らかになった。低分子量溶質に対するゲル層の排除効果を,モデル液を使用し以前報告した立体障害-細孔モデルにより定量的な解析を行った。いくつかの仮定のもとに本方法で算出した排除率と実験結果とは良い一致を示した。従って,本解析法が実際の廃水に対しても有効であることが証明された。