日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
キノコ類の遊離糖および遊離糖アルコール
吉田 博菅原 龍幸林 淳三
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

1984 年 31 巻 12 号 p. 765-771

詳細
抄録
15種の野生キノコ類,4種の栽培キノコ類の遊離糖および遊離糖アルコール分布を検討し,以下の結果を得た。
(1) 各種キノコ類の乾物重量100g当りの遊離糖含量は0.2~16.3g(平均5.8g),遊離糖アルコール含量は0.1~15.0g(平均4.2g)の広範囲に分布し,キノコの種により含量にかなりの差異が認められた。
(2) キノコ類に含まれる遊離糖および遊離糖アルコールとしてトレハロース,グルコース,フルクトース,マンニトール,アラビトール,meso-エリトリトールおよびグリセロールが同定された。各種キノコ類の遊離糖ならびに遊離糖アルコール構成は4~7種類の糖および糖アルコールよりなり,それらの8割以上が1~3種類の糖および糖アルコールで構成され,その分布パターンもキノコの種により特徴を有していた。
(3) キノコ類に含まれるアラビトールとマンニトールのキラリティーを7種のキノコについて検討したところ,両糖アルコールともにD-体であることが知られた。
著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top