日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
鶏およびあひるオボムチンの電子顕微鏡図
野並 慶宣斉藤 信斉藤 瑠美子鈴木 敦士
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1985 年 32 巻 4 号 p. 235-240

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抄録

新鮮鶏卵およびあひる卵のオボムチンを希釈(1:4)または1NHCI (pH 5.50)により沈でんさせ,これを2%KClおよび水で十分洗浄して試料とした。未処理の試料,加熱(95~98℃,20分間),あるいは凍結(-20℃),あるいは加熱,凍結した試料を透過型電顕で観察し,電顕図上において次のことを明らかとした。
(1) 鶏オボムチンでは高電子密度の線維状の像,あひるオボムチンでは高電子密度の塊または斑紋が集合した特有な像が認められる。
(2) あひるに特有な像は酸オボムチンより希釈オボムチンにおいてより鮮明である。
(3) これらの鶏およびあひるオボムチンの特徴ある像はオボムチンの加熱,凍結により消滅するものではない。
(4) 鶏,あひるのいずれのオボムチンにおいても,電顕図上のマトリックスは加熱,凍結により凝固,凝集して高電子密度の粒状,塊状あるいは線維状の像を形成する。

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