日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
製造法の異なる米製焼酎の香気成分
安藤 真吾土居 茂太寺薗 勝夫高山 卓美花井 四郎
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1987 年 34 巻 1 号 p. 48-53

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抄録

麹菌として焼酎麹菌と清酒麹菌,酵母として焼酎酵母と清酒酵母を用い,発酵させた醪を濾過せず常圧蒸留した区分(A),減圧蒸留した区分B),醪濾過後減圧蒸留した区分(C)について,低・中・高沸点成分をガスクロマトグラフィーにより分析するとともに,官能検査を行い,比較検討した.
(1) 酢酸エチル,酢酸イソアミル含量は,Aに対してBは約80%,Cは約50%であった.
(2) アセトアルデヒド含量は,3つの区分とも同じであった.
(3) 高級アルコールの比(A/B, B/P, A/P)は,麹菌及び酵母の影響を受けた.
(4) 高級脂肪酸エチルエステル含量は,A, B, Cの順に減少した.
(5) 香気成分のダイヤグラムは,麹菌間よりも酵母間に明確な差が認められた.
(6) 官能検査の結果,Aは香味とも濃く従来タイプで,Bは香味とも良く最も評価が高く,Cはきれい過ぎて香味ともうすいという評価であった.

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