エソ肉の水産練製品への利用可能期間を長くするために,水晒しによるトリメチルアミンオキサイド除去の効果と貯蔵温度の影響を調べた.未晒し肉中のトリメチルアミンオキサイドは氷蔵では急激にホルムアルデヒドとジメチルアミンに変化し,肉糊粘度と塩溶性タンパク質抽出率は急激に減少した.ミンチ肉中のトリメチルアミンオキサイドは,4倍量の晒し液で2~3回水晒しすることで,ほとんど除去された.水晒し肉は氷蔵でも長期間高い肉糊粘度を保持した.-10~-20℃貯蔵では,未晒し肉および水晒し肉の肉糊粘度は冷凍変性のために減少した.未晒し肉中でのホルムアルデヒドの生成は,-10℃貯蔵よりも氷蔵で盛んであった.-80~-60℃貯蔵では,未晒し肉,水晒し肉とも高い肉糊粘度を保持した.