日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
DEAE-トヨパールカラムクロマトグラフィーによる食品中のクロロゲン酸の分離定量
東野 哲三藤田 修二川崎 宏隆
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1987 年 34 巻 10 号 p. 659-665

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抄録

クロロゲン酸類(Chl)はDEAE-トヨパールに強く吸着され,0.1N塩酸によって抽出することにより他のポリフェノール(PP)化合物から容易に分離できる.このようなDEAE-トヨパールカラムを用いる青果物のChl分析法“DEAE-トヨパール法”を設定した.
まず,ナシ果実等の試験液を0.1Mリン酸緩衝液(pH7)で平衡化したDEAE-トヨパールカラム(11×30mm)に添加し,カラムに同一リン酸緩衝液を流して中性PP画分を完全に除去した.続いてこのカラムに0.1N塩酸(100ml)を添加しChl画分を抽出した.この0.1N塩酸抽出液の吸光度(OD325)を測定し,これよりChl量を求める吸光光度法と,吸着したChl画分をHoepfner試薬と反応させ,生成する赤色色素液のOD520値を測定し,Chlを定量する方法(Hoepfner比色法)とを設定した.吸光光度法によるChlの回収率は99~102%であった.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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