日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
動・植物性蛋白質配合原料の加水分解による新調味料の製造
三浦 道雄西山 和夫桂木 達美赤塚 慎一郎
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1987 年 34 巻 2 号 p. 98-101

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抄録

動・植物性蛋白質混合物を原料として塩酸と共に加熱,加水分解し,新しい形の調味料を開発するために,カツオミールおよび大豆ミールを用い,その配合割合,加水分解条件等を検討した.調味料の食塩含量を総窒素含量の8~9倍とし,またペプチドの穏和なうま味を活かすために,総窒素含量に対するホルモール窒素含量の割合を約60%に抑えることを目標とした.加水分解によって得られた調味料試料の分析および官能検査の結果,カツオミールと大豆ミールの比率は4:6,加水分解は3倍量の4.5N塩酸添加,12時間加熱が最適であった.この調味料試料を0.05~0.1%量の活性炭で処理すると品質は更に改善された.こうして調製された調味料試料は,両原料それぞれ単独から作られた調味料からは得られない特有の,ひろがりのあるうま味を持つものであった.
この試料を噴霧乾燥することにより,水溶性および復元性に富む淡黄色の粉末製品が得られた.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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