日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
パーボイルド米の搗精特性と精米の品質
パーボイルド米に関する研究(第2報)
伊藤 和彦川村 周三
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1991 年 38 巻 9 号 p. 776-783

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抄録

生もみを原料としてパーボイリング処理を行った玄米の搗精特性および精米品質等を明らかにした.主な搗精特性は以下のとおりである.
(1) パーボイルド米と無処理玄米の消費電力量を比較すると研削および摩擦式搗精法ともパーボイルド米が大きい値を示した
(2)パーボイルド米について見ると研削式搗精ではパーボイリング処理条件が強くなると(糊化度および糊化積算温度の増加)所要搗精時間が短縮され消費電力量が増加した.増加の程度は糊化度が30%を越えると大きくなった.一方,摩擦式搗精では糊化度の増加に伴って所要搗精時間および消費電力量は直線的に低下した.しかし,糊化度60%の場合でも無処理玄米に比較して約1.5倍に相当する所要電力を示した.
精米の品質等は以下のとおりである.
(1) パーボイルド米から調製した精米の温度は無処理玄米の場合に比較して最大5℃高かった.
(2) 砕粒率は糊化度が40%以下では高い値を示したが糊化度が50%を越えると無処理区よりも低い値を示した.
(3) 糊化度の上昇に伴って容積重,流動性が低下,吸水率が増加した.
(4) パーボイリング処理によって精米の白度が大きく低下し,褐変が進んだ.

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