抄録
トリプシンで加水分解したホエータンパク濃縮物(WPC)をMF膜およびUF膜で処理し,その分子量分布測定およびin vitroでの免疫反応試験(抑制ELISA 試験)を実施した.MF処理を行うことにより,分解液中の不溶解物は除去されたが, MF処理前後の分子量分布に大きな変化は認められなかった.分子量分布の測定の結果, MF処理で得られた分解物は分子量1000~6000を示した.一方,分画分子量が20000,6000および2000である3種類のUF膜処理による分解物では,いずれも1000~3000であった.また,抑制ELISA試験の結果, UF膜処理することにより,抗原性が膜処理前に比較して1/30~1/200に低下することが分かった.