新鮮な大豆油およびその廃油を用い,微生物タンパク質生産を目的として,菌株数種の培養を試みた.
(1) 新鮮な大豆油およびその廃油を培地中に分散させるための界面活性剤としては,オートクレーブで加熱滅菌する前後の状態の観察により,DKエステルF-160が適当であった.
(2) 新鮮な大豆油の微生物による資化性の検討では,Candida lipolytica ATCC 8661がタンパク質生産量の点で優れていた.
(3) 大豆油廃油を用いてCandida lipolytica ATCC8661を培養すると,新鮮な大豆油に比較して,菌体生産量およびタンパク質生産量はやや減少するが,十分資化することが明らかとなった.
大豆油あるいは大豆油廃油からの微生物タンパク質の連続生産の可能性が示されたので,今後,さらに検討が行なわれるべきである.