1992 年 39 巻 3 号 p. 281-286
アムスメロンを試料として無血清培養ヒト細胞(HL-60)に対して,増殖促進活性を示す物質の精製を試みた.HL-60に対する増殖活性は,果汁の70%硫安画分に移行することが確認された.DEAE-Sephacelによるカラムクロマトグラフィーにより2つの活性画分が得られ,そのII-2の画分をさらにDEAE-Sephacel,クロマトフォーカシングにより精製した.精製された1つの活性物質は, 32kダルトンの分子量であった,このメロン抽出液中の増殖促進物質は, 80℃ 10min.の加熱においても活性が安定であった.同時に測定した酵素活性が同条件で完全に失活したことから,このタンパク性の物質は,タンパク分解酵素とは異なることが確認された.