日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
RSMによるアイスミルクの甘味度・安定性と軟らかさを満たす最適糖配合比の検討
藤井 繁佳
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1993 年 40 巻 10 号 p. 732-737

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抄録

本研究はブドウ糖,ショ糖およびコーンシロップソリッドがアイスミルクの甘味度,安定性および軟らかさに及ぼす影響を調査すること,更にはこれらの品質を満足するための最適な前記3種の糖配合を探索することを目的とした.糖の添加率を3水準設定し,要因配置法に基づいて15種のアイスミルクを調製した.甘味度,安定性と軟らかさを特性値として評価した.糖の添加率と特性値の関係を応答表面法にて解析した.解析の結果,各特性値に対し0.76~0.95の重相関係数を示す有意な近似式を得た.ブドウ糖の増量は組織を軟らかくするが,安定性上好ましくなく,ショ糖の増量は甘味度を増し安定性を改良することがわかった.コーンシロップソリッドの添加効果は安定性改良であることも明確となった.また個々の糖の交互作用に関する知見も得られた.応答表面マップから,相反する要求品質を満足するのに最適な糖の配合比率を得た.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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