日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
n-ブタノール存在下におけるウマヅラハギ筋肉タンパク質の加熱ゲル形成性
林 〓倫石崎 松一郎田中 宗彦高井 陸雄田口 武天野 慶之
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1993 年 40 巻 10 号 p. 738-742

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抄録

n-ブタノール存在下におけるウマヅラハギ筋肉タンパク質の熱ゲル化特性を,ゲル強度曲線と電気泳動図,および溶解性と表面疎水性の変化から検討した. n-ブタノール(0.3M, 0.6M)は,筋原繊維ペーストの熱ゲル化を促進し,同時に火もどりにおけるミオシン重鎖の分解を完全に抑制した,一方,アクトミオシンは,n-ブタノール存在下で溶解性の減少と加熱による表面疎水性の著しい増大を示した.n-ブタノールによる筋原繊維ペーストの熱ゲル化促進と火もどり抑制において,アクトミオシン表面疎水性領域の重要な役割が示唆された.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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