[緒⾔]⽚頭痛は⽇本で約1,000 万⼈が罹患する⼀次性頭痛である。治療は進歩したが対症療法が中⼼である。鉄やビタミンD との関連は報告されているが⼀定の⾒解はなく、⽇本⼈に多いビタミンD ⽋乏を踏まえた検討が必要である。
[症例1]39 歳⼥性。⾮貧⾎性鉄⽋乏(フェリチン16.2 ng/mL)とビタミンD ⽋乏(25(OH)VD 17.6 ng/mL)を伴う。鉄補充と半夏⽩朮天⿇湯で部分改善後、25(OH)VD を40 ng/mL 以上に維持すると⾮⽣理期⽚頭痛と⽉経前症候群(PMS)がほぼ消失。
[症例2]39 歳男性。鉄は充⾜していたがビタミンD 低値(25(OH)VD 26.6 ng/mL)を認めた。精神症状は漢⽅治療で安定後、ビタミンD 2000 IU/⽇投与により25(OH)VD が40 ng/mL 以上となり、⽚頭痛はほぼ消失しトリプタンは不要となった。
[症例3]75 歳⼥性。NSAID 多⽤の慢性⽚頭痛例。呉茱萸湯は著効したが肝障害で中⽌。重度ビタミンD ⽋乏(25(OH)VD 13.4 ng/mL)に対し3000 IU/⽇まで増量し47.7 ng/mL に達した時点で、予防薬なしで発作はほぼ消失。
[結論]本症例では、有経⼥性において鉄⽋乏を評価し鉄補充およびビタミンD 補充を併⽤し、閉経後⼥性および男性ではビタミンD 補充後に⽚頭痛発作頻度の低下を認めた。⾎清フェリチン50 ng/mL 以上、25(OH)VD 40 ng/mL 以上に到達した時点で症状改善がみられた。ビタミンD 補充は、⽚頭痛診療における補助的選択肢として検討され得る。