栄養精神医学
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症例報告
⾮貧⾎性鉄⽋乏を背景に精神症状と⽣活機能障害を呈した思春期⼥性に静脈鉄補充が奏効した⼀例
秋根 良英
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2026 年 2 巻 1 号 p. 303-313

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抄録

[背景] 思春期⼥性では成⻑と⽉経による鉄需要の増加から潜在的な鉄⽋乏を来しやすく、栄養精神医学の観点から気分変動や焦燥感などの精神症状の⼀因となり得る。

[症例] 17 歳⼥性。気分の変動、焦燥感、無気⼒、頭痛、起床困難、学業成績低下を主訴に受診。ヘモグロビン13.8 g/dL と貧⾎は認めなかったが、フェリチン11.1 ng/mL と著明な鉄⽋乏を認め、まず経⼝ヘム鉄を増量したものの、消化器症状のため継続困難。このためカルボキシマルトース第⼆鉄500 mg を2 回静注し、フェリチンは365.2 ng/mL まで上昇、気分変動・焦燥感・朝の起床困難など⽣活機能は劇的に改善した。その後フェリチンが28.9 ng/mL まで再低下した際にはデルイソマルトース第⼆鉄750 mg を分割静注し、フェリチン184.7 ng/mL への上昇とともに症状は再度速やかに改善した。経過中は動物性タンパク質の摂取強化の⾷事指導をした。

[結論] 貧⾎を伴わない重度鉄⽋乏に対して、経⼝鉄剤が消化器症状のため継続困難や不応例では静脈鉄投与が有効であり、フェリチン値の動態評価は栄養精神医学的治療に必須である。

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