2026 年 2 巻 1 号 p. 288-291
現代⽇本において漢⽅診療は⻄洋医学治療の困難な様々な分野で使⽤されているが、鉄⽋乏症と亜鉛⽋乏症における治療効果が低下していることは知られていない。貧⾎例と⾮貧⾎例の鉄⽋乏症2 例を提⽰する。貧⾎を伴わない鉄⽋乏症は、倦怠感、息切れ、動悸、めまい、咽喉頭異常感等の症状があっても、⼤半の症例は診断されていない。フェリチン値の正常値が正しく認識されていないのである。亜鉛⽋乏症では⽪膚、粘膜の脆弱に関連した症状を呈する症例が多い。亜鉛製剤に反応する例は演者の経験では⾎清亜鉛値低下例の約2 割程度である。亜鉛製剤により関節痛と紅斑が改善した例と頭痛薬内服量の減少により亜鉛値が回復した例を提⽰する。原因としては、栄養不良(含鉄⽋乏)、下痢、発汗過多、⻄洋薬の⻑期服⽤があるが、不明も多い。亜鉛⽋乏症においては原因の検討が重要である。