[背景]栄養精神医学では栄養・代謝因⼦と精神症状の関連が注⽬されるが、サプリメント継続が困難な症例での介⼊設計は整理が不⾜している。
[症例]40 歳代⼥性、気分変調症。抑うつ気分、易疲労感、不安焦燥感を主訴。初診時総タンパク6.7 g/dL、ヘモグロビン11.8 g/dL、フェリチン42.4 ng/mL、25(OH)ビタミンD 17.0 ng/mL、体格指数(BMI)19.9 であった。鉄・亜鉛・ビタミンB 群・ビタミンD 補充は⼼理的抵抗感と家族要因で中断し、⾼タンパク⾷と鉄含有⾷品(レバー等)を中⼼に⾷事を調整した。X+1 年にフェリチン59.3 ng/mL、ヘモグロビン13.0 g/dL となり抑うつ気分と易疲労感が軽快した。X+5 年に持続⾎糖測定で夜間から朝⾷前の低値傾向を確認し、補⾷導⼊後に不安焦燥感が軽減した。X+9 年8 ⽉に総タンパク7.6 g/dL、ヘモグロビン12.9 g/dL、フェリチン110.5 ng/mL、SDS(Self-ra ting Depression Scale:抑うつ⾃⼰評価尺度)24 点となり症状は寛解した。
[結論]サプリメント継続が困難な場合でも、⾷事⾏動の具体化と検査指標の追跡を組み合わせた⻑期介⼊が症状改善と関連する可能性が⽰唆された。